「01 現場と経営の言葉のズレをなくす」とは

中小企業でIT化やDXを進めようとすると、現場の担当者と経営者、あるいは外部のベンダーとの間で「同じ言葉を使っているのに、指しているものが違う」という状態がよく起きます。
たとえば経営者が「とりあえずシステムを入れたい」と言ったとき、現場は機能の追加を想像し、ベンダーは大規模な開発を見積もり、本当に必要だったのは既存ツールの設定変更だった、というようなズレです。
この食い違いは、各ステークホルダーが持つ前提知識の違い、要件の伝達ミス、それによる何度も発生する手戻り、さらには「言った・言わない」による不信感及び見積もりの膨張、スケジュールの遅延として表面化します。費用にもスピードにも直結する、見えにくいけれど大きなロスです。
最悪の場合はプロジェクト自体が失敗に終わります。
他にも、マーケティングの知識・実務経験のある経営者や管理者が、部下に対し安易にコストカットや効率化の言葉だけを発すると、現場では「また始まった」「ただ働き/残業すればいいんでしょ」と不満ばかりが募ります。未熟な現場は自分たちだけでは何が正解で何が求められているのか、ひいてはどのような行動/成果が評価に結びつくのか判断できません。
この支援では、そのズレを埋めるために次のようなことを行います。
ひとつは、現場と経営の「あいだに立つ通訳」になることです。
IT業界の現場を経験した人間が間に入り、経営者の意図を現場やベンダーに伝わる言葉へ、現場の専門用語を経営判断できる言葉へ、双方向に翻訳します。
これにより、経営者がIT用語を学ばなくても意思決定ができ、現場も上の意図を正しく汲めるようになります。
もうひとつは、社内で共通言語そのものをつくることです。
その会社でよく使われる曖昧な言葉(「システム」「DX」「自動化」など)が実際には何を指すのかを、関係者で一度すり合わせ、用語の定義や判断の基準を簡単な形に整理します。
属人的な「暗黙の了解」を、誰が見てもわかる共有物に変えるイメージです。
また、この共通言語化には、経営者や管理者の知識・経験からくる言葉がどのような観点から出てきているのか、何を求められているのかを現場に理解してもらう現場のレベルアップも含まれます。
そして最終的には、現場の意識が変わるところまで伴走します。
一度きりの研修や資料づくりで終わらせず、実際の打ち合わせや意思決定の場に入りながら、共通言語が現場に定着し、両者の意図が損なわれずに会話が回るようになる状態を目指します。
最後に、経営者にとってのメリットをまとめます。
・専門知識がなくともIT・DXの意思決定ができるようになる
・伝達ミスによる手戻りや無駄な出費が減る
・現場との認識のズレからくるストレスが小さくなる
・現場の知識及び理解力がレベルアップする
